香ばしい曖昧

成瀬郁の備忘録

お布団は裏切らない

 

低気圧がひどい日だった。

気絶したように眠った。こんなにたくさん寝たのは久しぶりだ。今日はとことん自分を甘やかした。ジムにも行かず、一日中おふとんと一緒にいた。おふとんは決してわたしを裏切らない。なによりも信頼できる。

 

窓の外の雨を眺めるのが好きだ。

薄暗いのも好き。パリッと晴れた日よりもよほどわたしに寄り添ってくれているように感じる。外界から隠して守ってくれているような。

 

aikoはわたしにとって命の恩人だ。

恋人と付き合った記念日が偶然aikoの誕生日だったこと、密かに嬉しいなあと思っている。

 

"思っている"と書いて思い出したけど、昔付き合っていた人は必ず平仮名で"おもっている"と表記する人で、彼のそんなひとつひとつのこだわりが好きだった。彼と交際している間、わたしも倣って平仮名で書くようにしていたのよね。懐かしい。

 

中学・高校のときの恋愛をわたしたちが眩しさとともに思い返すのは、それがもう絶対に返ってこないからだよね。今となってはあんなに純粋な片想いは出来ないなあ、と思ったのならそれはこの10年、あなたがしっかり生きたからだよ。高校生のときは高校生の恋愛をすればいいし、大学生は大学生の、社会人は社会人の、その時その時きちんと目の前の人に向き合うというのが大切な気がする。そうすればあと数年後、いまの恋愛をきっと眩しいと感じるでしょう。あなたはなにも間違っていないよ。

 

おやすみ